Googleは、新たな検索体験「Search Generative Experience (SGE)」のプレビュー版を開始しました。この検索エンジンでは、AIが生成した回答を検索結果の上部に表示します。Google I/O 2023で発表されたこの新しい検索体験は、コードネーム「Project Magi」として知られていました。
対話型の回答
SGEは、長くて複雑な質問にも対話型の回答を生成することができます。ユーザーが質問を入力すると、AIが生成した「スナップショット」と他の重要な情報が検索バーの下に表示されます。これらの情報は、複数のソースから抽出され、Googleによって要約されています。また、回答の生成に使用されたウェブサイトが引用され、詳細を確認するためのリンクも提供されます。
さらに、ユーザーは右上の拡張ボタンをクリックすると、より深い回答を表示することができます。また、「追加の質問」ボックスに入力するか、提案されたフォローアップの質問を選択することで、質問を続けることも可能です。Googleは、前の質問からコンテキストを引き継ぎ、より正確な意図を反映するためにAIを使用しています。質問内容は下記の様な質問が可能です。
- 何かをする方法 (例: 「タイヤの交換方法」)
- それは何ですか (例: 「フランスの首都はどこですか?」)
- なぜ何かがそのようになっているか(例:「なぜ空は青いのですか?」)
- ニューヨーク市でやるべき面白いことは何ですか?
- 人工知能について読むのに最適な本は何ですか?
特定の商品検索に特化
SGEは、Googleショッピンググラフから350億の商品リストを取り込みます。これらのリストは1時間に18億回更新されるとGoogleは述べています。そのため、特定の商品に関する検索では、適切な回答が提供されます。例えば、「海辺で使えるBluetoothスピーカー」といった、特定のシュチエーションでの商品を検索する場合、Googleはどの商品を検討すべきか適切な回答が可能となります。
YMYLに厳しい基準
Googleは、SGEに関して特定の質問に回答する際には、情報の品質に非常に厳しい基準を設けています。特に信頼性の高い情報源によって裏付けられた情報提供に重点を置いています。そのため、Googleのシステムが回答に対する自信が低い場合や、医療や財務などのYMYL(Your Money, Your Life=あなたのお金、あなたの生活)カテゴリー、または有害で憎悪的なコンテンツに関連する場合は、AIによる回答を生成しないようにします。
まとめ
現時点では、この新しいGoogleの「Search Generative Experience(SGE)」にアクセスするには、Google Labsの待機リストに登録する必要があります。なお、日本語版の展開に関する情報はまだ発表されていません。この新しい検索体験は、Generative AIとGoogle Searchを統合する方法を示すものであり、今後さらなる進化が期待されています。