概要
日本経済新聞の報道によると、グーグル側とのサービス提供契約は2025年3月末に切れるため、Yahoo!Japanは検索エンジン技術をGoogleから他社へ切り替える可能性があるとされています。この移行の可能性を検討するために、Yahoo!は現在、バケットテストを実施しています。さらに、Yahoo!の大株主である韓国のネット大手、ネイバーが新たな検索エンジン技術の供給元として注目されています。この動きにより、Yahoo!Japanの検索エンジン市場における地位が変化する可能性が生じています。
現在はバスケットテストを行っている最中
Yahoo!Japanは、現在までGoogleを主要な検索エンジン技術の供給元として活用してきました。しかし、2023年7月1日の報道によれば、Yahoo!は新たな検索エンジン技術への移行を検討しているとのことです。
Yahoo!は現在、バケットテストを行っており、検索エンジン技術を提供する他社の性能や利便性を評価しています。このテストの結果次第では、Yahoo!はGoogleからの切り替えを決定する可能性があります。もしこの切り替えが実現すれば、Yahoo!Japanの検索エンジンは大幅な変革を遂げることになるでしょう。
バケットテストとは、複数の変数をテストするために、ユーザーを互いに独立した「バケット」またはグループに割り当てる方法です。この手法では、異なる変数やオプションを持つバージョンを作成し、それぞれのバケットに割り当てます。そして、それぞれのバケットでのユーザーの行動や反応を観察し、最も効果的な変数やオプションを特定することが目的です。
例えば、ウェブサイトのデザインの改善をテストする場合、複数の異なるデザインオプションを作成し、それぞれのバケットにランダムに割り当てます。その後、ユーザーのクリック率やコンバージョン率などのメトリクスを比較し、最も効果的なデザインオプションを特定します。
大手株主がネイバー
ネイバーはZホールディングスの筆頭株主の一つで。Zホールディングスは、LINEとYahoo! Japanを傘下に持つ企業です。大株主であるネイバーがYahoo!Japanの新たな検索エンジン技術の供給元となる可能性は高く、その場合、Yahoo!Japanはより独自性のある検索エンジンへと切り替わるでしょう。
この移行が実現すれば、Yahoo!Japanは検索エンジン市場において新たな地位を築くことが期待されます。一方で、Googleの技術に頼ってきたユーザーにとっては、新しい検索エンジンへの移行は違った検索体験をもたらす可能性があります。Yahoo!Japanは、独自の検索アルゴリズムや機能を開発し、ユーザーにとってよりパーソナライズされた検索結果を提供することができるでしょう。
アルゴリズムが変わると大変革が起きる可能性
しかしながら、Googleから他社への切り替えは容易な決断ではありません。Googleは長年にわたり、信頼性と高度な検索精度で知られており、広告主も多くがGoogleの広告プラットフォームを利用しています。そのため、Yahoo!Japanが別の検索エンジンに移行する場合、広告主や広告収入に依存している企業にとっては影響が出る可能性があります。元々2010年12月以前は、Yahoo!Japanは独自の検索エンジンを採用していたので、SEO担当者もYahoo!とGoogleのSEO対策を別々に行っていましたが、その時代が再来するのかと考えると、個人的には頭が痛くなります。
しかし、検索エンジン市場は競争が激しく、Google以外のプレーヤーが市場シェアを獲得することは容易ではありません。他の検索エンジンが提供する技術やサービスが、Googleのそれと比較してどれほど優れているのか、ユーザーにとってどれだけ魅力的な選択肢となるのかは、今後のテストと評価にかかっています。Google、Yahoo!Japan、bingの市場の取り合いが繰り広げられることでしょう。
まとめ
最終的な決定が下されるまで、Yahoo!Japanは慎重な戦略を取ることが重要です。ユーザーの利便性とニーズを最優先に考えながら、検索エンジン技術の切り替えに関するリスクと利益のバランスを考える必要があります。
Yahoo!JapanがGoogleから他社への検索エンジン技術の切り替えを果たすかどうかは、今後の動向次第です。この移行が実現すれば、日本の検索エンジン市場における競争が一層激化し、ユーザー及びSEO担当者にとってより多様な選択肢が生まれることでしょう。一方で、この移行には慎重な検討が必要であり、市場に与える影響や利益を十分に評価する必要があります。