今回の動画撮影のフロー
- 地元の神社を軽く下見
- イメージに合うフリーのBGM素材をPremiere Proに入れて調整。今回は和がテーマ。
- 動画プランシートを作成
- 神社をロケハン
- ロケハンで撮影した写真を基に絵コンテを作成
- 神社を撮影
- 動画をPremiere Proに読み込み、編集、書き出し。
1.地元の神社を軽く下見
子供のころ遊んでいたので、勝手知ったるなんとやら。ただ、相撲の土俵に以前は無かったブルーシートが掛けられていたり、灯篭に電球が設置されていたりと、時代の流れを感じさせます。七所宮は阿蘇神社より勧請を受けた神社で、奈良時代から続く由緒正しい神社です。歴史を残すため、守っていくために色々な試みが行われているのだと感じました。
2.イメージにあるフリーのBGMを探す
今回は、BGMerさんと甘茶の音楽工房さんから音源を使わせて頂きました。冒頭の和太鼓の音源を途中で切ったのですが、残響音が無いため曲の最後の残響音を切り取り、上手く繋ぎ合わせました。
3.動画プランシートを作成
タイトル
夏の七所宮
テーマ
奈良時代からの歴史を感じさせる。「循環」。
目的
歴史感あふれる神社を、素敵に撮影したい
画面向き
横向き
動画全体の尺(長さ)
105秒(1分50秒)
尺 | 尺の合計 | どんなシーン?撮る場所 | 撮る内容の詳細 | |
① | 13秒 | 13秒 | オープニング。各シーンの切り抜き。雁回山からの景色(音の空白の間を埋める)。 | 景色、日の丸カット6枚程(ぼんぼり、賽銭箱、紋、狛犬、灯篭など)、門の裏からのカット。 |
② | 22秒 | 45秒 | 鳥居及び門をくぐる前の導入。 | 宮の裏の坂、宮の横道、裏階段及び鳥居、裏の雑木林をアンダー気味、雑木林を見上げた景色、苔、大きな木×2、正面鳥居を横から。 |
③ | 30秒 | 75秒 | 鳥居をくぐる。まずは階段を撮り、鳥居を見上げるカメラワークで撮影。 | 鳥居、門、ぼんぼり、ひしゃく、灯篭、本殿左右の雑木及び小道、小宮。 |
④ | 20秒 | 95秒 | 門からの額縁構造(画角を広めに設定) | 本殿の正面、本殿を横から、本殿側面、賽銭箱、絵馬、紋、狛犬、灯篭。 |
⑤ | 5秒 | 100秒 | 裏の坂と宮の横道を逆再生 | |
⑥ | 5秒 | 105秒 | 雁回山からの景色。 | 冒頭の景色に戻る。一応タイムラプスでも撮影。 |
4.神社をロケハン
神主の方とお会いして、撮影の許可を頂きました。おおらかな方で、本殿の中の撮影許可までいただき、大変助かりました。実際にロケハンをしてみると。予想外の写真が撮れるので、プランシートと違う構想が生まれます。それを反映したのが次の絵コンテです。
5.ロケハンで撮影した写真を基に絵コンテを作成
iPadアプリProcreateなどを使い、写真をなぞって絵コンテにする方法もありますが、二度手間になるので、基本は写真をそのまま採用し、思いついたストーリーに足りない部分を付け足していく方式です。あとはケースバイケースで変わります。今回のテーマは「循環」です。
①:オープニング。各シーン切り抜き
1:賽銭箱の社紋。日の丸構図。 | 2:仁王。日の丸構図。 | 3:龍の灯篭。右から左へ回転するオービットショット。 |
4:本殿の天井。広角で撮影。後に切り取り | 5:手水舎。柄杓を手前に配置。前ボケ、後ボケ両方を撮影。 | 6:正面門の裏。シンメトリー構図。 |
7:賽銭を入れる。横からの構図。音も別で録音。 | 8:景色。広角で撮影。 |
②:鳥居・門をくぐる前の導入
9:裏の坂。前進。アンダーで撮影。 | 10:玉垣を横移動しながら右から左へスライダーショット。 | 11:裏の階段。上る。アンダーで撮影。 |
12:裏の鳥居。前進して鳥居真下でパンアップ(上にチルト) | 13:狛犬。右から左へオービットショット。 | 14:灯篭。右から左へオービットショット。 |
15:鳥居正面。前進して、鳥居の真下で空にパンアップ(上にチルト)。 | 16:裏の雑木林1。真下を撮影後、縦パン(チルト)ローアングルで前進。 | 17:裏の雑木林2。ローアングルで前進。 |
18:裏の雑木林の空。左から右に回転。 | 19:裏の大木。左から右に回転。 | 20:切り株。日の丸構図。 |
21:摂社。左斜めからリーディングラインを意識し前進。編集で逆再生。 |
③:門をくぐり、お参りをする一連の動画
22:正門正面。前進してシンメトリー構図から額縁構図へ。編集でスピードを上げる。 | 23:手水舎。柄杓を手前に配置。後ボケから前ボケにスライド。 | 24:樽。日の丸構図。防犯カメラ見きれると、現実感が出てきて、シネマティックでなくなるので注意。 |
25:絵馬。日の丸構図 | 26:賽銭を入れる。音も別で録音。 | 27:御鈴を鳴らす。真後ろからシンメトリー構図。 |
28:お祈り。斜め45度でアップ気味に撮影。 |
④:神社を出るイメージ。効果音を入れてテンポよく。
29:賽銭箱の社紋。日の丸構図。オープニングの使い回し。 | 30:しめ縄の真下。日の丸構造。 | 31:本殿の天井。オープニングの使い回し。 |
32:狛犬。日の丸構造。もしくは逆再生。 | 33:仁王。日の丸構図。 | 34:玉垣。逆再生。左から右に。 |
35:裏の坂。逆再生。 | 36:夕暮れの景色。 |
⑤:夜から朝になるイメージ
37:真下から縦パン(チルト)。本然に前進。音は足音が入るため別どり。編集で光を全体的にぼやかして、真っ暗に暗転させる。真っ暗な夜のイメージ。 | 38:正面鳥居。フィックス。朝のイメージ。 |
6.神社を撮影
今回の動画はYouTubeに投稿予定なので、1080P(HD)。シネマテックな演出を狙っているので、24fpsで撮影です。実際に撮影すると、トラブルの連続でした。今回使用したジンバルはInsta 360 flowなのですが、縦パンが上手くいかず構図がズレて苦労しました。途中からジンバル無しでの撮影も織り交ぜています。また、絵コンテ作成の数日の間に撮影予定の裏の雑木林の草が刈られてしまい、予定していた画に大きく変更がありました。これに関しては新たなアイディアが湧いたので、怪我の功名とも言えます。寄贈の酒樽が美少年から瑞鷹に変わっていましたが、これに関しては大したこと無いので撮影続行です。後は蜘蛛の巣や蚊と戦ったり、音の録音の際に豆腐屋さんのラッパが鳴り、まさかの豆腐屋さんの去り待ちがあったりと、良い経験になりました。その他に途中でiPhoneの設定が30fpsになっている事に気づかず撮り直したり、意図せずタイムラプスが起動しており撮り直しがあったりと、撮影には冷静さが必要であるとつくづく感じました。
7.動画をpremiere proに読み込み、編集書き出し。
今回撮影したカットは130程。実際に使用したのは57カットです。予定では1分50秒を予定していましたが、実際には2分17秒。これを誤差の範囲と呼べるかどうかは、今後の撮影で判断していきたいです。しかしCMの場合15秒・30秒・45秒・60秒・それ以上と決まっているので、CM映像業界人のスペックの高さに脅威を感じます。後半は絵コンテ以外の画が結構入っていますが、仕上がりには満足しています。
今回使ったエフェクトは以下です。
- ワープスタビライザー:狛犬・裏の雑木林の空・正面の門
- Speed Ramp Effect:本殿の大太鼓・夜の神社
- ブラー:夜の本殿
後は、所々スピードをいじったり、色味にエフェクトと掛けて調整したりしています。
感想
色々と課題が浮き彫りになりましたが、全体的に満足のいく動画に仕上がりました。次回の動画の構想もあるので、すぐに取り掛かりたいと考えております。